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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大とその制御をめぐっては、さまざまな科学的知見が、対策の立案および意思決定の過程に用いられています。リアルタイムで感染状況が大きく変化する中、情報の不足や不完全性、限られた組織資源、タイムリミットなどの厳しい制約下にありながら、機動的な意思決定が求められることになります。この約1年間の政策決定過程において活用された科学的知見を振り返ると、大きくは2つのアプローチ、疫学・公衆衛生学の分野における「リスク評価」のアプローチと、外出自粛や営業時間の短縮をはじめとした「経済的影響評価」のアプローチがあったと言えます。しかし、各アプローチはそれぞれ、感染者の感染拡大抑制と経済的被害の最小化という異なる目的に立つことから、多くの場面で独立的に用いられ、リスクモデルと経済モデルの関係性が課題として浮き彫りになったと言えます。これは、世界各国に共通する状況と言えるでしょう。

 同時に、このような危機管理下において測定される情報は、その時点では測定不能な情報や、必ずしも科学的な裏付けが明らかにされていない要素をやむを得ず含むことになります。このような特質を持つデータを、政策決定過程でどのようにして考慮し、あるいは採用するべきなのかが大きな課題となりました。

 本セッションでは、JST RISTEX「科学技術イノベーション政策のための科学研究開発プログラム」の中で関連する研究開発プロジェクト代表者からの話題提供と、実際のCOVID-19対策の政策過程に関与した有識者からの基調講演を基に、リスクモデルと経済モデルという異なるモデルを統合することの必要性を改めて検討した上で、両者をいかに統合しうるのか、危機管理下の政策決定における測定可能性バイアスの問題をどのように乗り越えるか、そして、政策過程におけるデータやモデルの活用に関する今後の方向性について議論を行います。

 ディスカッションを通じて、根拠に基づく政策形成をさらに一段と先に進めるための具体的な方向性とアプローチのあり方を整理し、今後に向けた手掛かりを得たいと思います。

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